#3

未曾有のコロナ危機から、全ての佐賀県民を守り抜く。

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未曾有のコロナ危機から、全ての佐賀県民を守り抜く。

2020年4月3日、佐賀県では新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のさらなる拡大を見据え、医療提供体制を強化するべく、行政と医療の連携組織「プロジェクトM」を立ち上げた。他県では感染が確認されても自宅療養を余儀なくされる事例も多い中、佐賀県では速やかな入院やホテル療養を提供できたという。その詳しい背景を、プロジェクトチームの面々に聞いた。

Member

日野 稔邦

1996年入庁

文化・スポーツ交流局
SAGAスポーツピラミッド推進グループ
推進監
行政職

古賀 信幸

1990年入庁

健康福祉部
医務課
参事
行政職

関 洋祐

2016年入庁

教育委員会事務局
教育総務課
主事
行政職

松枝 享子

2009年入庁

健康福祉部
佐賀中部保健福祉事務所
副主査
保健師職

※掲載されている情報は2020年取材当時のものとなります
※記事中の写真は一部イメージです

常に先回りの姿勢で、
行政と医療がタッグを組む。

世界中で爆発的に広がった新型コロナウイルス。
その感染者が佐賀県で初めて確認されたのは2020年3月16日のこと。福岡県などと比較すると逼迫度はまだ低かったものの、先回りして医療の提供体制を整えるために「プロジェクトM」を発足。病床機能の確保、入院・転院の調整、医療資源の確保と仕組み作りをミッションとして掲げた。入れ替わりも含めて10〜15人のメンバーを招集し、プロジェクトを牽引した日野推進監は「コロナ患者が急速に増えても即座に対応できるよう、一刻も早く県内の感染症指定医療機関や救命救急センターの医師らと連携して、様々な仕組みを整えなければいけないと思いました。こういった有事の際に“うちはまだ大丈夫”と楽観するのが一番危険なので」と話す。本来は健康福祉部の管轄であったが、同部は陽性患者の発見や調査などに追われ、入院先の確保に割くリソースは皆無。そこで、調査・発見を担当するチームと入院体制を整えるチームを分ける方が合理的と判断し、臨時・特命の体制でプロジェクトMを実行することになった。当時、県内の病院に確保されていた感染症者用のベッド数は24病床。今後も感染者が増加することを鑑み、4月中に100床を確保することを目標に掲げ、医療提供体制の強化が始まった。

メンバー一人ひとりが、
それぞれの使命に邁進。

プロジェクトチームには県庁職員だけでなく、佐賀大学医学部附属病院の高度救命救急センター長の阪本教授や感染症指定医療機関・救命救急センターの医師達といった医療のスペシャリストも参画した。「我々職員の情報ルートと、ドクター達の情報ルート。それぞれの強みを活用できるので効率は倍以上ですね」と話す古賀参事。病床の確保については、日野推進監と阪本氏が各病院の院⻑に直接交渉を行った。また、それと並行して患者と受け入れ先のマッチング体制の構築にも取り組んだ。実際に病床を確保できても、その患者を看護・ケアするスタッフや設備、資材が必要だからだ。「どの病院にマスクや防護服、消毒液、医療用手袋、フェイスシールドといった資材をどれだけ供給しないといけないのか。やることが山積みで本当に大変でしたね」と関主事は話す。そういった現場の状況を把握するところから始まり、方々に電話をかけて資材集めに奔走。コロナの病床を増やしながら、通常の病院として機能に支障を出してはいけないといった様々な制約がある中で、チームメンバーはそれぞれの役割に追われていた。

行政と医療の距離が近い。 だから対応も速い。

病床機能や受け入れ施設、資材の確保と並行して、ゾーニング(エリアを目的に合わせて区画すること)も行われた。感染者の受け入れ先のホテルは当然病院として建てられておらず、業務にあたる県庁職員が感染することがないよう、現地で危険度に応じて区分けをする必要があったからだ。レッドゾーンは危険区域、グリーンゾーンは汚染されてない清潔な区域、そしてその中間にあたるイエローゾーンはそこで防護服を脱ぐことのできる区域。松枝副主査は「医療のスペシャリスト達にアドバイスをいただきながら、各現場が機能するようにマニュアルを作り、感染対策研修や防護服の着脱訓練も行いました」と話す。さらに搬送車両を6台手配して車内にビニールのバリケードを設けるなど、行うべきことは多岐に渡った。メンバー一人ひとりがスピーディーに動いた甲斐もあり、短期間で一通りの体制を構築。病床ベッド数は目標通り100を突破し、現在は最大281まで増えた。医療政策に携わっていた医務課のOB達やガッツ溢れるメンバーをプロジェクトチームに招集したことが功を奏したようだ。古賀参事も「医療現場との距離感が近いのがよかった。即座にコミュニケーションが取れるのはコンパクトな佐賀ならではですね」と胸を張った。

収束見えぬコロナや、
次なる有事に備えるために。

驚くべき点は、スピーディーな連携力や実行力だけにとどまらない。コロナ禍の最中、感染者の受け入れ先が決まらないといった事例はゼロ。全ての感染者を適切な病院やホテルとマッチングさせて現場で適切な対応を施し、着実な成果を上げている。さらにチームに参画した県職員も看護師も、誰一人として新型コロナウイルスに感染していない。総指揮を執った日野推進監曰く「僕の体調や心理状況のせいで、判断ミスをしないっていうのを一番心掛けました。常に全体を俯瞰していましたね」。関主事も「病院などに資材を調達し終えた後、現場の方からわざわざ電話でお礼の言葉をいただいた時はすごく嬉しかったです。資材を寄附してくださる個人の方や企業も多数いらっしゃって」と嬉しそうに続ける。「今のところは順調に事が進んでおりますが、こういった有事は別のかたちで必ず訪れる。その時に後手に回らないよう、正しい決断を迅速にしてタイミングを失わないことが大切」と力強く話す日野推進監。行政と医療がタッグを組む佐賀県独自の取組は、いつも先を見据えている。

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