約10年ぶりの募集。子どもたちに関わる仕事へ。
大学時代は精神保健福祉コースに在籍し、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得するために、障害・高齢・児童・権利擁護など、福祉の様々な分野を学んでいました。ゼミでは子どもたちと関わる機会に多く恵まれ、それらの経験を通じて、将来は子どもに関わる仕事をしたいと思うようになったんです。佐賀の豊かな自然環境が、彼ら・彼女らの成長にどう影響するかの興味もありました。そんな時に、高校時代の恩師から約10年ぶりに佐賀県で生活指導員の募集があると聞き、応募することに決めました。
将来まで見据えた生活支援を、一人ひとりに。
知的障害や発達障害を抱え、様々な理由で家庭での養育が困難な子どもに対して日常生活の支援を行っています。一緒に遊んだり、宿題を見たり、ご飯を食べたり、また、将来退園した時に自立した生活(洗濯・整理整頓・入浴など)を送れるように支援も行っています。人との関わり方や整理整頓など苦手な部分がそれぞれ違うので、適切な方法で教えることがポイントですね。それこそ、声の掛け方ひとつでも使い分けるような。正しい気持ちの表現の仕方をどう支援するか、信頼関係をどう構築するか悩むことも多々ありますが、職場の上司や先輩の支援のもと、自分なりの子どもへの関わり方ができるようになってきました。
成長を間近で実感。それを見られる喜び。
一番のやりがいは、子どもたちの成長を間近で実感できるところ。今までできなかったことができるようになったときは本当にうれしいですし、この仕事が素敵だと思える瞬間でもありますね。心を込めて接していくと満面の笑みで答えてくれますし、「ありがとう」と感謝をしてくれることも。印象に残っているのは、園内行事で担当した秋祭り。保護者の方を呼んでダンスや出し物を披露するイベントなのですが、人前が苦手な子や緊張しすぎてしまう子と1ヶ月間練習をしていく中で、だんだん踊れるようになったり、その場にいることができたりする過程に感動しました。子どもたちもやりとげた後は達成感に満ちあふれた表情をしていましたね。
子どもたちの心の声に、耳を傾ける。
「子どもたちに寄り添える」生活指導員になりたいと思っています。まずは子どもたちの話をきちんと聞いてあげたり、悪いことをしても第一声で怒らずに、耳を傾けたりすることが重要ですね。一般的に大人が子どもの話を聞いていると思っている割合はだいたい70%と言われますが、子どもが自分の話を聞いてもらっていると思うのは40%ほどだそうです。この事を常に意識してコミュニケーションをとるようにしています。また、ときにはこちらの感情を掻き立てるようなことをする子もいますが、その際は冷静に「してはダメなこと」や「なぜそれがダメなのか」を伝えるようにしています。プロとしてのバランスとコントロールが必要な仕事とも言えますね。