広告業界で得たスキルを
佐賀県で活かしたい。
私は福岡県の出身で大学卒業後、東京の広告会社でプロデューサーをやっていました。その後、夫の転職で佐賀へ引っ越し、県関連団体でパートタイムとして働くことに。情報発信のお手伝いをする中で、観光地や食材、県産品などこの県にはすばらしい素材がたくさんあると感じました。同時に、それらが適切に伝えきれていないとも。そして、広告業界で培った情報発信やクリエイティブのスキルが存分に発揮できるのではないかと思い、佐賀県庁の中途採用試験を受けることにしました。
行政プロジェクトの画一性を
デザインの力で打破する。
「さがデザイン」という佐賀県独自の部署で、佐賀県にゆかりのあるクリエイターとのネットワークを作り、県庁各課とクリエイターとをつなぐハブ的な役割を担っています。これまでの行政施策の問題として、縦割り組織の中で関係者同士の調整・連携がうまく図れず、プロジェクトが画一的な内容になってしまう傾向がありました。これらを解決するべく、政策の立案から実施までデザイナーやクリエイターが一貫して関われる仕組みとして組織されたのが「さがデザイン」です。
デザインで
組織が変わりはじめている。
縦割りの行政組織において、デザイン視点で横軸の連携を推進する。佐賀県は先進的な考え方を持った人が多いとはいえ、これは簡単なことではありません。だからこそ、部署を超えてチームがひとつになったときの達成感もひとしおです。また、そこでデザインの力を知った人が次のプロジェクトでもそこにデザインの考え方を採り入れてくれることが多いので、そのノウハウが組織にどんどん注入され、佐賀県庁全体が生まれ変わっていく。このダイナミズムを最前線で実感できるのはとても貴重な機会だと感じます。
佐賀県職員全員に、
デザイン視点を。
前述したことと関連する部分でもあるのですが、私の目標は佐賀県職員全員にデザインの視点をもってもらうことです。「さがデザイン」の諸先輩の啓蒙活動もあり、佐賀県庁にはデザイン視点での発想をもつ人が増えてきました。特に情報発信や政策の設計に関わる職員のあいだでは課題解決の方向性策定からコンセプトメイキング、ネーミング、デザイン、プロモーションまで、さながら私のいた広告業界のように、良いものを作り上げるときの突き詰め方が普及しつつあります。この流れをもっと加速させていきたいと考えています。