農業土木職

髙田 佳織

2019年入庁

佐賀中部農林事務所

佐賀の豊かな農業を、基盤から支える。

大学で土質力学を専攻し、農地整備課に配属された髙田佳織(たかだ・かおり)さん。その経験や知識を活かし、佐賀の農業における今と未来を支えるプロとして活躍を続ける彼女に話を伺った。

CAREER

2019年

農山漁村課むらづくり担当

2021年

佐賀中部農林事務所 農地整備第一課 工事第二担当

※掲載されている情報は取材当時のものとなります。
※採用時の職種は総合土木職です。

土木の知識と経験を、自然あふれるこの土地で活かしたい。

出身県は違うものの、幼いころから親戚が住んでいる佐賀県を度々訪問。小川や里山など、身近に自然があふれる県として強く印象に残っていました。大学では農業土木や一般土木について学び、その知識や経験を活かせる職に就くことを希望。インターンシップではコンサルタントと国家公務員・地方公務員について、環境ボランティア活動では市役所についての仕事内容をそれぞれ学び、中でも県全体を網羅できる地方公務員の仕事が一番自分に適していると感じたんです。故郷も農業土木の県職員を募集していたのですが、より農業に力を入れている佐賀県で働きたいと感じ、佐賀県職員を志望しました。

農地に命とお金を吹き込む仕事。

主な仕事として、県産木材を活用した農業用排水路(クリーク)の護岸工事の設計積算、施工状況の監督などに携わっています。佐賀県では圃場整備事業はほとんど終わっているのですが、その際に整備された土水路の多くが、時間経過と共に本来の貯水機能・防災機能を果たせなくなっています。そうした機能を元の状態に戻して色々な作物の作付けを可能とし、「稼げる農業」を実現するため、工事を行っています。以前の部署から異動して、初めて工事に携わって大変だったのは、地元の方とのお話や業者の方の監督をする中で、新しい知識や物の見方を養うことですね。設計内容について第三者にわかりやすく伝え、誰もが納得して工事を進めていくためにどうすればいいのか。優先順位をつけながら、円滑に進行できるように日々試行錯誤を繰り返しています。

精緻な設計も、柔軟な施工も、現場で学べる。

初めて自分で設計・発注し、施工を進めた工事が印象に残っています。設計書をもとに進めていくのですが、実際に施工を始めるとそれまでわからなかったことがたくさん出てきました。設計前に現場に向かい、条件に合わせて変更した上で発注を行いましたが、ときには想定外のことも起こるのだと痛感。こまめに現場に通って状況を確認し、地元の方や業者の方と相談を重ねて施工を進めていくのは本当に大切だと思います。それでも、工事施工中に現場でお会いした地元の農業従事者の方からは「用排水路が復旧して農業用水に使える!」地域住民の方からは「防火用水等の地域用水にも使える!」と、感謝の言葉をいただきました。木や雑草に覆われていた水路が整然とした状態に復旧されていく過程を目にしたときの喜びややりがいは、何にも代えがたいものがありますね。

佐賀の農業をもっとよくしたい。未来への挑戦は続く。

大学時代に技術士補の資格を取得し、現在は実務経験を積んでいる段階ですが、今後はさらに知識を深め、技術士の資格を取得したいと考えています。より難易度の高い工事にもチャレンジしていきたいですね。農業土木職という職名を見ると現場で工事するだけかと思いがちですが、私が入庁してすぐに携わった業務は中山間地や農業農村整備をPRするソフト業務でした。工事はもとより、地域の方の意見を聞きながら農村地域を創造していくことが農業土木職だと思います。仕事の幅はかなり多岐にわたるため、覚えることは多いのですが、「稼げる農業」を支える生産基盤の整備や、活力ある農村の実現に向けた農村地域の活性化など、新しいことに挑戦したい人にとって、佐賀県で働くことは非常に魅力的だと思います。

MESSAGE

佐賀県職員を
検討の方へ

従来の「公務員」というと、お堅いイメージですが、私が実際に佐賀県庁に入って感じたのは、親しみやすい人、情熱を持った人が多いということ。インターネット社会になって情報が交錯し、自分に合った仕事が何なのか悩む人も多いでしょう。そんな中でも「佐賀県職員」という道を選び、佐賀をよくしていきたいという志をもった皆さんのことを心からお待ちしています。