山で遊んでいた原体験が、 林業職を選ぶきっかけに。
私は佐賀県の山間部で育ち、小さい頃から山の中で遊ぶのが当たり前の環境でした。そういった体験が理由で、将来は地元で山に関わる仕事に就きたいと思うようになり、大学では農学部林学科を専攻。林業について幅広く学んだ後、佐賀県庁の林業職に応募しました。一口に「林業」と言っても、森林計画や治山、林道、保安林、造林、林産といった様々な業務があり、幅広い知識が求められます。大学時代に培った知識だけでは足りないため、入庁時の希望通り、多くの部署を経験させていただき、さらに深い知識を得るために今でも勉強する日々です。
育てる、伐採、植林。
林業のサイクルを学ぶ。
今までで一番の学びになったのは、県営林を担当した3年間。県営林を隅々まで歩き回り、どういった森林がどこにあるのかをしっかり把握した上で、伐採や植林の計画を立てていました。「木を育てる→伐採→植林」この一連の林業のサイクルを経験できたのは、自分の中で大きな財産になっていますね。現在は、県内の森林に関する情報の調査・管理や、県全体の施業の計画や方針作成、森林の樹種や資源量、持ち主についての調査など幅広い業務を担当させてもらっています。地道な仕事が多い一方で、クラウドシステムなどの最新テクノロジーを活用し、県と市町、事業体の間で情報を共有する取り組みも行っています。
山で暮らす人を増やし、
山全体を活性化させたい。
林業は植林してから収穫するまでの期間がとても長く、自分の仕事の成果がショートスパンで見えにくいことが多いですが、次の世代に森林を残していくというスケールの大きい仕事です。未来の森林の姿を想像しながら、日々の仕事を行うことに大きなやりがいを感じますね。 今後は、山に住む人がもっと楽しく過ごせるようにして、山で働く人を増やしたい。私自身、今でも山間部に住んでいますが、以前に比べて子どもの数が少なくなってきており、地域での活動が厳しくなってきているのが現状です。森林を育てていくためには、山に住む人・山で働く人が不可欠なので、山で生活をすることの魅力を伝えて、山間部地域の過疎化と林業の担い手不足を食い止めたいですね。
森林面積が小さな県だからこそ、
隅々まで手入れが行き届く。
佐賀県は、全国の中でもとりわけ森林が多い県ではありませんが、人工林(人が植林した森林)率と林道密度は日本一。つまり、県内の多くの山がきちんと手入れをされてきた、手入れができる状態にあるということなんですね。森林面積が小さいからこそ、私たち林業職員は様々な面から森林・林業にアプローチすることができ、職員一人ひとりの得意分野を多く活かせる県だと思います。また、佐賀県庁は全国的にICTの利用が進んでおり、林業職でもテレワークはもちろん、ドローンの運用やGPSシステムの活用など多くの先進技術を率先して取り入れています。常にチャレンジできる土壌が整っているので、そういった技術を持っている方や好奇心が旺盛な方にはお勧めの職場ですね。